【新型コロナウイルス感染症】デルタ株が全国にまん延すれば医療ひっ迫の地域も 夏休みの移動は控えて

東京都の新型コロナウイルス感染症の入院患者数(東京都HPより) 東京都の新型コロナウイルス感染症の入院患者数(東京都HPより)
最新の感染症ニュースはこちらから

 新型コロナウイルスの流行は第5波に入り、新規感染者数は、全国で増加の一途をたどっています。

 8月4日の東京都の新規感染者は、4,166人と過去最多を更新しました。また、周辺の首都圏でも、埼玉県1,200人、千葉県840人といずれも過去最多となっています。大阪府も同様に1,224人と大都市での感染者数は、軒並み増加しています。

 気がかりなのが、感染再拡大の要因と言われているデルタ株です。デルタ株の感染状況や夏休み・お盆シーズンの過ごし方などについて大阪府済生会中津病院の安井良則医師に取材しました。

デルタ株の影響で、東京の新規感染者は"10,000人"と予測

 現在、首都圏を中心にデルタ株の検出が増えつつあります。私が勤務する大阪の病院でも、直近1週間の入院患者16名のうち、4例(25%)からデルタ株が検出されており、置き換わりが進んでいる印象です。このままのスピードでいけば、9月頃には、60〜70%がデルタ株に置き換わるのではないかと予測しています。感染力の強いデルタ株が広がることで、今後も、首都圏を中心に、感染者数は更なる増加を続けると思われます。東京の医療がひっ迫しつつあることも気がかりです。

 感染拡大の流れを食い止めるためには、人流の抑制などの強い措置が必要です。また、高齢者の感染が少なくなっていることから、ワクチンには一定の効果は出ているものと考えられます。不足している現状はありますが、お盆明けに供給も再開される見通しです。50代以下の世代に向けての接種も併せて進めていく必要があり、まさに正念場と言えます。

 このまま何もしなければ、東京都の1日の新規感染者は10,000人、大阪は、間もなく2,000人台に到達すると予測します。

入院の中心は働き盛りの世代 職場内感染の報告も

 コロナ病棟で診察にあたっていますが、搬送されて来る方の多くは、50代以下の働き盛りの方です。搬送された患者さんの話では、職場内で複数の感染者が出たとのことです。「外出先から職場に戻った時に、アルコール消毒をしない」「職場の中で、マスクをせずに会話している」こんなケースは、身の回りにありませんか?

 自分が感染している可能性も考えながら、周りに感染させる危険がないか、今一度、基本的な感染対策の見直しもお願いします。

帰省や不要不急の外出は見合わせを

 これからお盆休みを迎えますが、感染拡大地域から帰省する人がいれば、デルタ株を地方都市に持ち込み、広めてしまう恐れがあります。大都市のように医療インフラが整っていない地域では、医療体制がひっ迫しかねません。

 デルタ株のまん延を防ぐためには、人流の抑制が大きな課題です。帰省やレジャーでの外出は、極力、控えるようにしてください。

医療体制を維持することで私たちの生活を守る

 消防庁によると、2020年の救急車による救急出動件数(速報値)は593万3,390件(対前年比70万6,377件減、10.6%減)、搬送人員は529万4,045人(対前年比68万3,963人減、11.4%減)でした。一方で、複数の消防本部からの聞き取りによれば、現場到着所要時間や病院収容所要時間については、救急現場における新型コロナウイルス感染症への対応などを背景に、前年と比べ伸びたとの報告もあったとのことです。
 
 病気で苦しんでいるのは、コロナ患者だけではありません。交通事故や熱中症など、私たちの生活には、さまざまな危険が潜んでいます。みなさんが暮らす街の医療がひっ迫することで、コロナ以外にも、病気やケガをした人がすぐに治療を受けられなくなる恐れがあるのです。

 私たち一人一人が感染予防への意識を高め、対策を続けることで、医療体制が維持され、私たちの生活を守ることにつながります。

◇感染症予防接種ナビでは、新型コロナウイルスに感染した方や新型コロナワクチンを接種した方からの経験談を募集しています。

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
引用:消防庁報道資料「令和2年中の救急出動件数等(速報値)」
感染症・予防接種ナビ
 
子育て応援団アプリ
こどもの救急
こどもの事故と対策
「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ
すこやか2019