【感染症ニュース】「当たり前の看護ができない」コロナ病棟に勤務する女性看護師のことば

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 5月末辺りから、私が勤務する県内でも、発表される新規感染者数は減ってきています。しかし、コロナ病棟に運び込まれる方の数が減っている訳ではありません。一人が退院されても、すぐ新たな患者が運びこまれます。入院できるのは、呼吸状態が悪化し、人工呼吸器が必要な方ばかりです。

 新規の感染者数が減っても、入院患者が減っている訳ではないことは、皆さんも、心に留めておいて頂ければと思います。

汗まみれの防護服 脱ぐ時は鏡で手順をチェック

 勤務する病院では1年以上前から新型コロナの患者を受け入れています。私は元々、一般病棟で勤務していましたが、病院がコロナ病床を増やしたことで、5月にコロナ病棟へ異動しました。

 コロナ病棟では、N95マスクと防護服の着用で、完全に感染対策をしています。「もし自分が感染したら」と不安を抱えているスタッフもいるかもしれませんが、私自身は、一般病棟勤務より感染リスクは少ないと思っています。感染対策が不十分な状態で普通に街を歩くほうが、危険だと感じることもあります。

 防護服を着ての看護は重労働です。コロナ病棟は、陰圧になっているためエアコンが効きにくいです。そのため、病棟から出る時に脱ぐ防護服の中は、汗まみれでぐったりしてしまいます。

 しかし、まだ気を抜けません。防護服は着る時より脱ぐ順番がとても重要です。私が勤務する病院では、間違ったことをしていないか自分で確かめるため、鏡を見ながら脱ぐルールになっています。また、病棟内の至るところに脱ぐ順番と消毒のタイミングが掲示されています。もっとも怖いのは「慣れ」なので、一回一回きちんと確認しながら行っています。そうすることで、自分たちの身を守っているのです。

「心のケア」など通常看護ができない現状

 報道などで、「大切な人の命を守るために感染対策しましょう」と呼び掛けているのを見ることがあります。実際に感染し入院してくる人たちの背景をみると、友達同士・職場内・家庭内・帰省した子どもからなど、身近な人から感染している印象を受けます。

 一度入院すると当面、直接会うことはできませんし、感染した人たちは、口に出して身近な人を責められない複雑な気持ちを抱いていると思います。また、ネットの情報や医師の説明などから、今後の容態について、急変するかもしれないとの不安を持ちながら入院生活を送っています。病院側もオンライン面会など協力できることはしていますが、じゅうぶんではありません。

 新型コロナウイルスの飛沫・接触感染の危険がある「レッドゾーン」での看護の場合、看護師への体力的な配慮から、2時間を超えないようにというルールがあります。しかし、実際には食事介助、清潔援助、入退院患者の対応、掃除、物品の補充、リネンの交換等、全ての事を看護師が行います。そのため、2時間を超えてしまうことは毎日です。そんな中で患者様一人ひとりにゆっくりと寄り添う時間が取れていない現状があります。

 今回のお話させて頂いたことで、コロナ病棟の現状を知ってもらい、一人一人の方が「大切な人を守る」にはどうしたらいいかを考えるきっかけになればと思っています。

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