A型肝炎ワクチン

 A型肝炎ワクチンは、アフリカミドリザル腎臓由来細胞でA型肝炎ウイルス(HAV)を培養し、高度に精製し、不活化後安定剤を加え、凍結乾燥したワクチンで、アジュバントを含みません。

 ワクチンが開発される以前にはヒト免疫グロブリンが使用されていましたが、このワクチンは2回の接種により、高率に免疫を獲得し、ヒト免疫グロブリン(15mg/kg)筋肉内注射直後と同等以上の抗体価が得られます。この抗体価は3回接種後30か月を経過してもヒト免疫グロブリン(15mg/kg)筋肉内注射直後を十分上回っています。

 また、HAVは数種類の遺伝子型がありますが、血清型は1種類なので、抗原的にはすべてのHAVに対応できます。

予防接種スケジュール

 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.65mLで溶解し、通常、0.5mL(不活化A型肝炎ウイルス抗原を0.5μg含みます)ずつを2〜4週間間隔で2回、筋肉内又は皮下に接種します。さらに、初回接種後24週を経過した後に0.5mLを追加接種します。

 免疫の賦与を急ぐ場合には、0.5mLずつを2週間隔で2回、筋肉内又は皮下に接種します。しかし、長期に抗体価を維持するためには3回目の追加接種が望まれます。

 平成25(2013)年3月に、それまで適用外だった16歳未満の使用についても承認されました。接種対象に関する年齢制限は添付文書上なくなりましたが、WHOは1歳以上の接種を勧めています。

A型肝炎ワクチンの副反応

 10歳以上の健常人を対象とした臨床試験では、6.0%(162/2,710)に副反応が認められ、主な副反応は局所の疼痛、発赤、全身倦怠感、発熱、頭痛等でした。また、16歳未満の小児を対象とした臨床試験では、1.7%(8/468)に副反応が認められ、主な副反応は発熱、倦怠感、頭痛でした。

参考資料として
・「予防接種に関するQ&A集・A型肝炎ワクチン」-一般社団法人日本ワクチン産業協会(岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長、多屋馨子国立感染症研究所感染症疫学センター第三室(予防接種室)室長 )
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/11
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