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※皆様からご投稿いただきました感染症経験談は、研究活動の研究報告として提出予定です。
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概要

 特有のけいれん性の咳発作を特徴とする急性の呼吸器感染症です。母親からの免疫が期待できないため、乳児期早期から百日咳に感染する可能性があります。1歳以下の乳児、特に6か月以下では、死に至る危険性があるとされています。

 1950年代に百日咳のワクチンが開発されるまでは、日本でも年間10万人以上の発病者があり、その約10%が死亡していました。その後、百日咳ワクチンを含む三種混合や四種混合ワクチンの接種が行われており、その普及とともに百日咳の患者は、激減しています。

 しかし、いまだにワクチン接種をしていない小さな子どもが感染・発病した場合、重症化することは珍しくありません。ワクチン接種率が低下すると再び大きな流行となるため、予防接種対象年齢のお子さんは必ず予防接種を受けるようにしましょう。

 また、近年ワクチン効果が減弱した青年・成人が感染する事例が増えており、2007年には大学などで集団感染が発生しています。

症状

 診療する過程は3つに分けられます。
[1] カタル期(約2週間持続)
通常7〜10日程度(最大3週間)の潜伏期を経て、普通のかぜのような症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。

[2] 痙咳期(けいがいき)(約2〜3週間持続)
次第に特徴ある発作性・けいれん性の 咳(痙咳)になります。これは短い咳が連続的に起こり、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音がでます。このような咳発作が繰り返すことをレプリーゼと呼びます。しばしば嘔吐を伴います。

[3] 回復期(2、3週〜)
激しい発作は、次第に減衰し、2〜3週間で認められなくなりますが、その後も忘れたころに発作性の咳が出ます。
全経過約2〜3か月で回復します。成人の百日咳では咳が長期にわたって持続するものの、典型的な発作性の咳を示すことはなく、やがて回復に向かいます。軽症で感冒など、他の疾患との見分けることが困難です。 菌の排出があるため、大人の患者がワクチン未接種の新生児・乳児に対する感染源になることがあるため注意が必要です。

感染経路

 患者の咳によって口から発せられる飛まつによる飛まつ感染や接触感染があります。
適切な治療をしないと長期間にわたって咳が持続し、百日咳菌が3週間前後患者から排出するといわれているので、一人の患者から多くの人に感染させてしまう可能性が高いです。

予防法

 百日咳を対象とする定期予防接種があります。
 百日咳ワクチンを含むDPT-IPV四種混合ワクチン接種(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)か、DPT三種混合ワクチン接種(ジフテリア、百日咳、破傷風)です。

日常的な予防法

・外出時には,マスクを着用し,人込みはなるべく避けましょう。
・帰宅時には,うがい・手洗いを励行しましょう。
・咳が続く場合は,安静にして,早めに医療機関を受診しましょう。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/10
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