【感染症ニュース】ぜんそくや気管支炎を発症するケースも見られるRSウイルス感染症 乳幼児期は特に気をつけてください

RSウイルス感染症の患者報告数の推移 RSウイルス感染症の患者報告数の推移
 3月に注意してほしい感染症としてRSウイルス感染症についてご紹介します。

 現在、関西や九州を中心に感染者の増加がみられています。

 ここ2年ほど大きな流行が見られなかったため、初めて感染するお子さんも多いかと思います。

 特に、免疫を持っていない赤ちゃんは症状が重い場合もあり、個人差はあるもののRSウイルス感染症をきっかけに、ぜんそくや気管支炎を発症するケースも見られます。赤ちゃんを持つご家族は特に注意が必要です。

概要

 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによって発生する呼吸器感染症です。年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を繰り返し、発症の中心は0歳児と1歳児で、2歳までにほぼ100%の小児がRSウイルスの初感染を受けるとされています。

 乳幼児期においては非常に重要な疾患であり、特に生後数週間〜数か月間の時期においては母体からの移行抗体が存在するにもかかわらず、下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こします。

症状

 潜伏期間は2〜8日、典型的には4〜6日とされています。発熱、鼻汁などの上気道炎症状が数日間続き、初感染の小児の20〜30%では、その後、下気道症状があらわれると言われています。感染が下気道、とくに細気管支に及んだ場合には特徴的な病型である細気管支炎となります。乳幼児における肺炎の原因の約50%、細気管支炎の50〜90%を占めるとの報告もあります。

 また、低出生体重児や心肺系に基礎疾患や免疫不全が存在する場合は重症化のリスクが高いです。

 発熱は、初期症状として普通に見られますが、呼吸状態の悪化により入院が必要となったときには、体温は38℃以下や平熱となっている場合が多いです。

感染経路

 RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、又は会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込む飛沫感染や、感染している人との直接の濃厚接触や、ウイルスがついている手指や物(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり又はなめたりすることによる、間接的な接触感染で感染します。

 なお、RSウイルスが麻疹や水痘、結核のように空気感染(飛沫核感染)するといった報告はありません。

予防方法

 RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法になります。RSウイルス感染症のワクチンはまだ実用化されていません。

 予防法としては、手洗い、うがい、咳エチケットなどが、有効です。咳などの呼吸器症状がある場合は飛沫感染対策としてマスクを着用して子どもに接することが大切です。接触感染対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すり等はこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石鹸による手洗いか又はアルコール製剤による手指衛生の徹底が重要です。

感染症予防接種ナビでは、RSウイルス感染症の経験談を募集しています。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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